劇場版水餃子ちゃん第3部

麺もご飯も関係ないぎょ!


(第3部)

チャーハン軍とラーメン軍の艦隊戦は熾烈を極めた。 そして盛り返したチャーハン軍が、徐々に押しはじめた。

チャ「これでラーメン軍の叛乱は収まる」
水「ラーメン軍が全員悪いわけじゃないぎょ」
チャ「仕方ないのだよ、水餃子ちゃん」
水「ぎょぎょ〜…」

ラ「さすがにチャーハン軍は数が多いな。 仕方ない、最終兵器を使わせてもらおうッ!」

劣勢のラーメン軍が、奇妙な行動を始めた。 宇宙空間にたくさんの中華鍋を広げ始めたのだ。 その鍋は、ごま油で、妖しく光っていた…

チャ「ラーメン大佐、何を始めたのだ!? わからん…」
水「あ! 宇宙船がこっちへ来るぎょ! あれは春巻き姐さんのフカヒレ号だぎょ!」

シュゴォオオオーー…

春「久しぶりだねェ、水餃子ちゃん」
水「春巻き姐さんだぎょ〜! 嬉しいぎょ! ピュピュピュのピュ〜♪」
春「ちょっとォ、熱いわねぇ! 汁、飛ばさないでよ。 相変わらず空気読まない娘ねぇ」
エ「それより、大変なんです!」
水「ぅわ! エビチリ大臣だぎょ!」
エ「春巻き姐さんに助けられまして…」
春「イイ男が宇宙空間に浮かんでるから拾ってみたら、アンタの国の大臣だっていうから、連れてきたのよ」
水「大変だぎょ〜!」
エ「くっ、こんなことしている場合ではないのです!」
チャ「何が大変なのだ?」
エ「あのたくさんの中華鍋、ごま油でベトベトしてますよね? 奴らは、あそこに太陽光線を集結させようとしてるんですよ! そうすると、我が軍、いや、たくさんの星までが丸焦げになってしまうのです!」
チャ「タイムリミットまで、あと何分だ!?」
エ「10分でエネルギーが満タンになってしまいます。 とにかく破壊しないと! 出撃しましょう!」

中華鍋太陽光線を破壊するため、出撃した一行。

エ「くっ、数が多すぎる!」
水「壊しても壊しても、まだあるぎょ」

あまりにも数がありすぎるため、全てを破壊することは出来なかった。 そして発射まで、残り1分…

エ「もうタダメだ! 間に合わない! とにかく、ここから逃げて」
水「みんなを置いて、逃げることは出来ないぎょ」

なんと、水餃子ちゃんは船から降り、宇宙空間を浮遊した…
その姿は、宇宙という無限のスープを泳いでいるようだった…

チャ「水餃子ちゃん、危険なマネはよすんだ!」

そして水餃子ちゃんは、ありったけの声を出して叫んだ!

水「麺もご飯も関係ないぎょ! ご飯も麺も前菜も炒め物も、みんなみんな中華の国の仲間だぎょ! みんなみんな仲良しなんだぎょ――!!」

ラ「ハハハハ、血迷ったか水餃子ちゃん。 そんな甘っちょろいことでは、わがラーメン軍は倒せんよ!」

しかし、奇跡が起きた! 水餃子ちゃんの言葉に感動したラーメン軍が、中華鍋太陽光線の向きを、ラーメン大佐の方向に変えたのだ!

ビビビビビ・…

ラ「き、貴様ら、本当にそれでいいのかッ! ぃやめろ! やめろ!! ぅ、うぁああああああああァァーーーーー…・・・」

ドシュゥゥウウウウ……・・・

エ「終わりましたか…」
チャ「…あぁ」
水「これからは、もっともっとみんなで仲良くしていくぎょ」

水餃子ちゃんの愛の言葉が奇跡を呼び、ラーメン大佐の叛乱は終結した。 こうして中華の国はもと通り、平和になりました。

水「めでたしめでたし、ぎょぎょぎょのぎょ♪」