HAKANA・極限を超える漢

わざわざ自分のヘタレを晒すのもどうか


HAKANA、仕事の前に昼の部を観に行ってしまいました(ノ∀`) 当日券でA席確保です。 またネタバレ有りの感想を書きますが、ひとり言に近いので読み飛ばし推奨です。





鈴次郎…どうしようもないクズ野郎です。 しかし、全てを失って初めて大切なことに気付きます。 最後は自分の生命をなげうってでも儚を救おうとします。 ありがちな展開ではありますが、泣ける。・゚・(ノД`)・゚・。

そこで私は考えます。 自分が鈴次郎だったら、最期に儚を抱くだろうかと…
最後のシーンの鈴次郎の心情の整理
・儚が人間になりたがっているという強い思いを知っている
・いま儚を抱くと、水になってしまう
・儚を救うために、自分の命を鬼に差し出した(間もなく死ぬ)


この状況で、いくら儚に「お願い、鈴さん抱いて」と言われても、はたして抱けるでしょうか。 しかもタイムリミット間近の極限の心理状態です。
結論 むい次郎はビビッて抱けない


儚が「鈴さんがいない世界なら生きててもしかたない」「愛する人とひとつになれるならそれだけでいい」と説得してきますが、その言葉を受け止められるかどうかですね。


私だったら「せっかくお前のためにここまでしてやったのに」とか思っちゃいそう。 「儚、お前の気持ちはわかるが、でもせっかくだから生きろ」とか、自分の思いを優先しちゃいそう。 儚の夢を叶えてあげようだなんて思えるかしら。
むしろ「儚の夢は人間になること」だという観念にとらわれて、状況の変化に対応できないかも。 状況の変化とは儚の心情の変化。 「鈴さんはもういなくなる、そんな世界は嫌、だったら今ここで鈴さんに抱かれたい」


冷静に考える時間があれば儚が望んだことも分かるかもしれないけど、極限状態のとっさの時ほど自分の本質が現れてしまうもの。
鈴次郎は儚を抱くことを選択。 自分のことよりも、儚の言葉を信じた。 さぞ、唯一儚だけが自分を想ってくれたという実感があったのでしょう。 儚を失った60日目から100日目まで、鈴次郎はどんな思いで暮らしていたんでしょうね…


そんなことを考えながら鑑賞した、私にとってのラスト公演でした。
鈴次郎、お前は最高のクズ野郎だぜ! 鬼だぜ! そして紛れも無く優しい人間だぜ!